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  評価のQ&A 27

 
   

131.みなし労働時間制

 
   

 みなし労働時間制導入の案が立ち上がり、関連事項を調べてみたのですが、法令を遵守しようとするとこの制度を導入するのは難しいのではないでしょうか。 「例えば、事業場外労働では営業職の社員に会社から携帯を支給している場合、連絡を強制している意味合いに取られ、対象にならない。」と聞きましたが、実際は携帯支給をしていても、導入している例があるのでしょうか?

<事業場外労働のみなし制の意義>

  出張や外回りの営業のように事業場外でなされる業務は、使用者の具体的な指揮監督が及ばず、労働時間の算定が困難になる場合がしばしば生じます。労働基準法は、このような場合に合理的に対処するために、労働時間をみなし制により算定することができるようにしました。

回答

 みなし労働時間制を無理やり導入しようと思えば、いろいろな障害が考えられます。法の精神に則って、導入することが合理的な業務において、労使ともにメリットがあるようにすれば、問題ないと思います。

 事例について、携帯電話で随時指示を受ける場合は、みなし労働の対象外になりますが、普通の営業では、携帯電話は業務連絡に使うものであり、問題ないと思います。

 導入している例はたくさんあります。携帯電話を何のために支給するかです。随時指示するために支給するのであれば問題ですが、業務連絡を密にするためであれば、全く問題ありません。実態に照らし合わせて、お考えください。

 

 
   

132.成果主義の見直し

 
   

 3年前から、成果重視ということで管理職に年俸制が導入されました。年俸を決める評価は、評価の納得性が高いということで、目標管理(業績目標)一本で実施しています。 しかし、実際にしてみると評価に対する不満が各部署から出てきて、見直しを検討しています。 どのように考えるとよいでしょう。

 目標管理(業績目標)一本で評価すると、次のような問題が出てくる恐れがあります。

1.多くの場合数値目標になり明確に評価できることになるが、結果だけで評価することになる。結果というのは、本人の能力・努力だけでなく、ラッキーアンラッキーに左右されることが多く、本人の能力・努力などが反映されない恐れがある。

2.個人目標、部門目標だけの達成を考えてしまい、他部門との連携や全社最適を考えなくなってしまう恐れがある。

3.目標管理(業績目標)一本で評価することは、結果を出すためのプロセスを顧みず、結果主義になってしまう恐れがある。仕事の進め方やノウハウの蓄積がおろそかになってしまう。

4.評価が明確にできる分、その目標の達成水準の妥当性や難易度の取り扱いに不満が出てくる。

 今後の改善策として、次のようなことが考えられます。

1.目標管理一本ではなく、管理行動および勤務態度に関するプロセス(行動)の評価も行い、結果主義・競争主義にならないようにする。

2.目標管理の項目を業績目標だけでなく、遂行目標も記述するようにする。

  ・ 本来の役割に関してのアカンタビリティ(成果責任)を明確にした上で、それに関して「どのような成果を上げるか」という業績目標と、その成果を上げるために「どのようなことを実施するか」という遂行目標を区別して記述するようにする。

  ・ さらに、チャレンジ目標として、経営方針等に基づいた課題を設定する。

 

 
   

133.試用期間中の解雇

 
   

 中途採用者を3ヶ月間の試用期間を設けて採用しました。そろそろ試用期間が終了するのですが、上司への対応の仕方が少し悪く、取引先の担当者とも交友関係がありそうで、本採用を見合わせようと思っています。その場合の注意点はなんでしょうか?

 試用期間とは、採用時には社員として的確かどうか全てを見抜けないため、一定期間を設け、その期間中に働き振りを観察して、最終的に社員として雇用するかどうかを判断する期間です。

 最高裁は、試用期間中の解雇について次のように述べています。 「試用期間中の解雇は、解約権を留保した趣旨から、採用時には分からなかったが試用期間中の勤務状態から判断して、その者を引き続き雇用しておくのが適当でないと判断することが試用期間を設定した趣旨・目的に照らし、客観的に相当である場合にのみ許される」 (三菱樹脂事件1973.12)

 試用期間中の社員の解雇は、本採用後の解雇よりも広い範囲の解雇の自由が認められていますが、一旦採用しているわけですから、何でも簡単に解雇できるわけではなく、客観的に合理的な理由が存在し、社会通念上相当として是認されうる場合にのみ許されるものです。

試用期間中だからといった理由や、客観的な合理性を有しないような解雇理由(気に入らない、正確が暗い・・・)は無効であると考えられます。

 また、雇用開始14日以内に解雇する場合は、即時解雇してもいいことになっています。 雇用開始後14日を超えれば、30日前の解雇予告や予告手当の支払いが必要になってきます。(ただし、所轄労働基準監督署長の認定を受けた場合は不要。)

 今回の場合は、本人に「本採用できない理由」を説明し納得してもらった上で、予告手当を支払うのがよいのではないでしょうか。

 

 
   

134.目標管理が不安

 
   

 目標管理について昨年研修を終え、目標管理について詳しく理解できていない状況ですが、最近管理職にに昇進し、目標管理を実践しなければなりません。部下の面接を実践する上で得られることはどのようなことですかまた、目標管理を理解しないで実施するとどのようなことが困ると想定されるのですか?

 ご相談のお答えします。

1.部下の面接を実践する上で得られることはどのようなことですか?

 面接は目標を設定したり、評価結果をフィードバックしたりすることも大事ですが、一番大事なのは、部下の話を聞くことです。 それによって、日ごろ見えない部下の行動や考え方がわかります。また、話を聞くことで、部下との信頼関係を築くことができます。 上司が一方的に話すような面接はよくありません。

2.目標管理を理解しないで実施するとどのようなことが困ると想定されるのですか?

 目標管理制度の導入の目的が達成できません。何のために目標管理制度を導入したのか、その目的が達成できないことになります。  また、部下も目標管理制度の本当の目的が理解できずに、批判的になります。評価に連動するのであれば、自分の都合のよい目標を設定するようになります。自分の目標だけすればいいのでしょ、ということになります。職場風土が乱れることになります。

 よい仕事をして、よいサービス、よい成果を上げようということが目的のはずなのに、それが、簡単な目標を設定して、楽して、評価をよくしよう、という風になってしまいます。

 気をつけてください。

 

 
   

135.介護施設の人件費管理

 
   

 これからの介護施設の項目5の生き残りの道について、総人件費をコントロールする仕組みとは、具体的にどのような仕組み、手法があるのですかご教授ください。(無料コンサルティングシートでご相談頂きましたが、返信メールがエラーになるため、こちらに掲載します。)

 ご相談のお答えします。

1.賃金自動膨張システムをなくす。
   年齢給や職能給のような年功的な賃金を廃止して、職務給を採用する。

2.必要な職務内容と必要な人員を決める。

3.法人業績に連動した賞与総原資決定の仕組みを作る。
  業績がいいときは賞与も多くなる。悪いときは賞与が少なくなる という仕組みを入れて、公表する。

という方法がよいと思います。

 介護施設の人事方針のコーナーもご覧ください。

 具体的には、介護施設の人事制度標準設計書をご利用ください。

 

 
    136.目標管理がうまく運用できない  
     伝統のある老舗企業ですが、昨年から評価連動型の目標管理制度が導入されました。その結果、「目標に入っていないことはやらない」など、社内に混乱が起きています。目標管理制度をうまく運用するための方法をアドバイス願います。

 ご相談にお答えします。

1.制度を運用するためには、教育が必要です。
 経営者を含めた目標管理の研修が必要です。
 特に、目標設定に関しての考え方を明確にすべきです。

2.その制度は、しっかり運用すると本当によくなるのか、の検証が必要です。
 会社にとっても、社員にとってもよくなる制度であれば、運用の意味がありますが、自分のクビを絞めるような制度であれば、誰もしっかり運用しません。

3.目標管理や人事考課は、管理職にそれなりの能力が求められます。
 経営者を含めた管理者が、ある一定水準以上でないと、いくら立派な制度を導入しても、機能しません。目標管理の前に、管理職としての教育研修を行う必要があるようです。

 以上のことから、まとめてみますと

1.目標管理制度を運用することが目的でない。企業の業績を上げることが大事である。

2.そのためには、経営者や管理者がしっかり管理運営することが必要である。

3.そのために、管理者能力の向上が必要である。

4.管理者がしっかり管理するために、一つのツールとして目標管理制度を運用する。

5.目標管理の結果は、処遇にも活用する。

 という、ことではないでしょうか。 これを、逆の順番で考えると、多分うまく機能しなくなると思います。

 以上、よろしくお願いします。

 

 
    137.単純明快な評価方法  
     今後の企業成長のために、きちんと評価したいと思っています。目標管理制度や360度評価などいろいろ検討していますが。できるだけ単純明確な効率的な評価方法にしたいと考えています。何かよいアドバイスはないでしょうか?

 私も「単純明確な効率的な評価方法」をお勧めしているのですが、 お金がからむと、細かいところにこだわって、だんだんと複雑になっていくようです。 原点に帰って、シンプルに考えるのがよいと思います。

 評価基準は会社の期待像を書き表したものです。 社員または部門に対して、何を期待しているのかを明確にして その期待に対して、どうであったかを判定すればよいわけです。
 会社から社員に対する期待は、2つあります。

 期待成果 (期待通りの成果を出してほしいという期待です)
 どんな成果を出して欲しいのか、明確にすればよいわけです。  これは数値で表現されますから、判定も簡単です。

 期待行動 (期待通りに業務を進めて欲しいという期待です)
 その仕事をどのように進めて欲しいのか、  どのよう仕事ぶりがよいのか明確にすればいいんです。  これは文章で表現することになりますが、  後から判定できるように、表現に気をつける必要があります。

上記の2つは、人事制度の問題ではなくて、 企業として、当然明確になっているべきものです。 それを基準にするのが、一番よいと思います。

目標設定の前に、会社が社員に対して、 どのような成果とどのような仕事の進め方を期待しているのかを明確にすることが 先決です。 それができているのであれば、それを基準にするのが一番です。

 制度を導入すると、その制度をうまく運用するために、だんだんと複雑になり 不満も出てきます。 例えば 目標管理を導入すれば導入したで、その目標の水準についての不満が出ます。 部門間の目標の難易のバランスについて不平が出ます。 それらを解消するために、制度が複雑になります。 結局、成果を上げることより目標設定をうまく行うことが 重要に考えるようになります。

シンプルが一番です。

 

 
    138.目標の変更について  
     当社では目標管理を行っていますが、期の途中で目標が変更してもよいのかどうか、社内で議論しております。どう考えたらよいでしょう。

 評価のための目標管理ではなく、業績向上のためにどうしたらよいかという観点で、議論されるとよいと思います。

 私の考えは 「目標の変更はやむを得ない場合におこなう。目標はむやみに変更するべきではない。特に、やっていくうちにできそうもないと目標を変えたり、目標のレベルを低くしたりすることはあってはならないことである。しかし、仕事を機動的に運営するために、次のような場合には目標を変更する必要がある。」です。

・ 市況や環境の変化に対応する場合
・ はじめに考えていたことよりも、ずっとすぐれたアイディアがでた場合
・ 思いがけず簡単に達成できた場合や、方針を変えなければ打開できない場合

 そして、状況の変化等で期中に目標を変更する、廃止する、追加する場合は、中間面接でしっかり話し合って決めることが大事です。

 

 
    139.職能要件書の作成方法  
     わが社では、職能資格制度を作っているところです。職務調査を行いました。これを「職種別・等級別職能要件書」に仕上げたいのですが、その方法がよく分かりません。ご教授くださいませんか。

 どこまで進んでいるのかわかりませんが、一通り注意点とその流れをお知らせします。

● 職能資格等級の定義

 職能資格等級をしっかり運用するためには、その等級の定義を明確にする必要がある。
 また、等級定義はあくまでも定義であり、抽象的に作ってあるため、さらに、具体的に作っていく必要がある。
 しかし、あまり、細分化してしまうと管理ができなくなり、陳腐化してしまう恐れがある。どの程度の大きさで作成するかを決める。

等級定義  全社共通 抽象的言葉
大まかな部門別定義 部門別 やや抽象的な文章
部署別定義 部署別または職種別 仕事(まとまり課業)レベル
職種別等級別職能要件書 職種別または機能別 作業(課業)レベル

 以前は細分化した「職種別等級別職能要件書(課業レベル)」を作成するケースが多かったが、作成二時間がかかるという点と、その後のメンテナンスが大変になる点で、最近は「まとまり課業レベル」で作成するケースが多くなっている

● 「部署別定義 → 部署別または職種別 → 仕事(まとまり課業)レベル」作成の流れ

1.等級定義の確認
 すでに作成された等級定義の内容を確認して、等級のイメージをつかむ

2.部門別等級定義の検討
 部門別の等級定義を検討する。

3.部署別等級定義の作成
 さらに、参加者の部署の部署別等級定義を作成する。

4.注意点
 卒業方式 「基準を満たすと上の等級に上がることができる」という基準の考え方
 入学方式 「基準を満たすとその等級に上がることができる」という基準の考え方
 職能資格制度では通常「卒業方式」で考える。

5.あるべき姿
 等級定義や職能要件書は「会社が求める能力の期待像」であるため、現状を考慮しつつもあるべき姿で考えるものである。

6.独力でできる  
 能力の期待像であるため「〜〜ができる」ことを明示することになるが、この「できる」とは独力レベルで「できる」ことを言う。

7.要件書作成の流れ
 @ 職場の仕事を見つめ、職務分析における業務の大きさを確認する。
 A 仕事を洗い出す。
 B 仕事のまとまりである職務を構築する。
 C 職務のまとまりである部門を構築する。
 D 仕事を難易度や専門性の観点からレベル区分する。

以上、よろしくお願いします。

 

 
    140.人事考課の法的根拠は?  
     なぜ人事考課はインセンティブ情報なのか? 法律があるのかもふくめ人事考課情報の扱い方を知りたい。?

1.人事考課は使用者の人事権に属するもので、人事考課の内容や評価の方法も、通常使用者の裁量に委ねられています。

2.人事考課の適否について法的な問題となるのは、合理性のない男女差別、不当労働行為に該当すると認められるような事例に限られます。

3.人事考課は今まで使用者の主導のもとに行われてきましたが、能力主義や成果主義などの人事制度の新しい動きの中で、考課基準や考課ルールの公開や、考課結果の本人へのフィードバックが求められるようになってきています。

 人事権について

  使用者は、事業活動を効率的に行うために、その職務遂行能力や適性に応じて、労働者を配置し、さらに労働の能力・意欲・能率を高めて組織を活性化するためのいろいろな施策を行う必要があります。この労働者の配置、異動、人事考課、昇進、昇格、降格、休職、解雇など、企業組織における労働者の地位の変動や処遇に関し、使用者が決定する権限を人事権と呼ぶことがあります。人事権は法的な概念ではなく、労働契約に基づく指揮命令権の一内容ですが、昇格・降格などが使用者の一方的決定ないし裁量に委ねられていることの根拠として用いられます。すなわち、裁量の範囲を逸脱しない限り、その決定の効力は否定されないとされています。